味・ボリューム・心意気、120%
町の“集まり処”の火付け役

山本 真さん

和洋猪食処またたび

なんでこの町に飲食店がないのかなって考えてみて、誰もせんけえかなって。商売が成り立たないからないんじゃなくて、誰もせんからない。

お昼に美郷町の活気が集まる場所、「和洋猪食処またたび」。

昨年2022年4月1日にオープンしました。からあげ定食と、名物山くじらラーメンは県外からもわざわざ人が食べにくるほど。山くじらにはもちろん地元で捕獲されたイノシシを。約7時間煮込んだスープに、地元の味噌「まほろば味噌」をブレンド。そこにローストイノシシとほうれん草がのって、山椒を好みでかけて頂く。

その人気ぶりに“ラーメン屋”と間違われることも度々ですが、定食屋として日々、人で賑わいをみせます。

店主の山本真(しん)さん(36)は大田市出身。大人になるまで美郷町には来たことがなかったそうですが「お店をやるなら美郷町で、と思いました」。おおちユートピアの「石楠花(しゃくなげ)」で料理長をつとめた後、次の仕事について考えている頃。「また美郷町でまたご飯屋さんやってよ」と、スーパーで町の人と顔を合わせるとそんな声が多かったことを振り返ります。

美郷町に飲食店が少ない理由には、経営うんぬんの前に「そもそも、誰もやろうとしないからじゃないか」。そんな思いもあって、和洋猪食処またたびの開店へ。

食材にはなるべく地元産のものにこだわります。「揃え切るのはなかなか難しいですが、なるべく。家の近くにも仲の良い農家さんがいて、これくらいの大きさで作ってほしいとか、つくってほしい野菜なんかも無茶を言ってリクエストしたり...(笑)」。(これは、烏田さんですね。地元のつくる強さを感じます)。

町内の顔馴染みも、町外からの新しく知る顔もたくさんやって来ます。一度来たら、友だちを連れて再び来てくれる人が多いそう。
人との出会いこそ飲食店のやりがい。「いまはまだ日々で精一杯ですが、人が集まれる場所をもっとつくりたいです。年配の方がお茶できる場所、とか」と話します。「商店街が復活、ではないですけど、もう3、4件お店ができて賑わっていけばいいですよね。昔の商店街を知っている人はお店ができればきてくれる。商店街が賑わえば、外からも人が来てくれる」。

いまの世の中でまた賑わえば、もうへこまないと思うんです、と山本さん。活気の生命線、ご飯処の灯りを絶やさないように。今後は不定期で夜の営業についても考え中。店名「またたび」には、また度々来てくださいね、という意味を込めています。

和洋猪食処またたび

早くも美郷町の新名物として名高い「山くじらラーメン」がランチタイムの花形。猪から連想されるような獣臭さは一切なく、野生の力強い旨味だけをガツンと味わえます。ふわっと香る山椒が絶妙なアクセントとなり、重たさを感じることもありません。
夜は当面のあいだ予約制ですが、いただけるのは確かな日本料理の技術を感じる手の込んだお料理ばかり。カウンター、テーブルに加えて個室もあり、カジュアルな宴会から会食まで、どんなシーンでも心地よい時間を過ごせます。

所在地:島根県邑智郡美郷町粕渕252
TEL:0855-74-2036
営業時間:ランチ 11:00〜14:30(ラストオーダー14:00)
営業時間:ディナー 17:00〜21:00 ※当面予約制
定休日:日曜日 ※その他臨時休業の場合あり。お問い合せください
インスタグラム:https://instagram.com/matatabimisato/

Photos by Yusuke Nishibe
Text by Sako Hirano (HEAPS)

本記事は2023年3月の取材に基づいて構成したものです。